日本で流通しているチーズは主に、スライスチーズやとろけるチーズといったスーパーに販売されているものが多いと思われます。しかし、そのような日持ちするチーズが生まれたのは最近のこと。これらのチーズとは違い、日数が経過するにつれて徐々に熟成し変化するナチュラルチーズというものが存在し、長い歴史があり、沢山の種類があります。
今回はそんな様々な種類が存在するナチュラルチーズを、各国の歴史と結びつけてご紹介いたします。
目次
・イギリス
・アメリカ
・フランス
・イタリア
・日本
・まとめ
・イギリス
イギリスのチーズの歴史は古く、2000年以上前から、チーズの生産が行われていました。チーズ文化の流入は、ローマ軍の進行に由来し、西暦300年頃にはイギリス人の手でチーズが作られるようになっていたようです。
イギリスではチーズはメジャーな食べ物で、スーパーなどに入ると豊富な種類のチーズが陳列されています。またイギリス生まれのチーズもあります。日本人にも馴染みが深い、「チェダーチーズ」の他にも、エリザベス女王の大好物として有名な「スティルトン」というブルーチーズなどもあり、イギリスでも馴染みの深い食べ物であると言えます。
イギリスを代表するチェダーチーズ
・アメリカ
アメリカは長い歴史を持つ国とは言えません。しかし、たった数百年の間で独自チーズ文化を築き上げています。例えば、アメリカの代表的な食べ物であるハンバーガーにチーズは欠かせません。また茹でたマカロニとチーズのソースをあわせて食べるマカロニチーズは、多くのアメリカ人にとって、おふくろの味と言えるでしょう。アメリカ発のチーズとしては、モントレージャックというチーズが有名で、癖がなくマイルドな味わいをしています。また、アメリカは世界最大のチーズ生産国でもあります。
アメリカを中心に親しまれているマカロニチーズ
・フランス
フランスは西ヨーロッパの中ではイタリアに次いでチーズの歴史が古い国だといわれています。ローマ帝国がフランスに進行した際に、様々な技術を持ち込んだとされており、世界三大ブルーチーズの一つである、「ロックフォール」というチーズはフランス生まれです。こちらのチーズは「チーズの王様」とも呼ばれており、フランスがチーズ文化に深く食い込んでいることがよくわかります。また、日本でも有名な白カビチーズである「カマンベールチーズ」もフランス発祥のチーズです。このように、フランスではたくさんのチーズが生まれてきました。チーズの生産量も世界で3位となっており、一人あたりの消費量では、フランスが世界1位を記録しています。これらからも、チーズはフランス人に愛されていることがわかります。
フランスで誕生したチーズの女王とも呼ばれるカマンベールチーズ
・イタリア
イタリアは西ヨーロッパで初めてチーズが生まれた場所とされています。紀元前1000年頃にはすでにあったとされており、高度な技術を持つギリシャ文明を持っているエトルリア人によって、海路で北イタリアのロンバルディア地方を通じて広められたという説が有力だそうです。イタリア発祥として、原産地名称保護に名を連ねるチーズはおよそ55種類もあり、イタリアでどれだけのチーズが生まれ、親しまれてきたのかがわかります。イタリアのチーズとして有名なものとして、パルミジャーノ・レッジャーノやマスカルポーネ、モッツァレラ、ゴルゴンゾーラなどが挙げられます。また、イタリアンの代表格である、ピザやパスタにもチーズが利用されています。チーズとイタリアは切っても切れない繋がりがあるのです。
イタリアンの代表格でチーズが欠かせないピザ
・日本
日本のチーズの起源は、考徳天皇の時代に百済から帰化した人の子孫が、天皇に牛乳や蘇と呼ばれる牛乳を煮詰めて固めたものを献上したことに始まると言われています。この蘇と呼ばれるものが、日本のチーズの始まりと言われていますが、作り方は我々が日頃口にするチーズとは大きく違います。現代の私達が口にするようなチーズは、江戸時代の終わりにオランダ経由で入ってきたと言われています。しかし当時は超高級品で、庶民が口にするものではなく、また独特の匂いがあまり受け入れませんでした。しっかりと広まったのは、戦後に様々な洋食が入ってきたタイミングだそうです。更に、バブル景気なども相まって、日本で高級なワインなどが嗜まれるようになり、それに伴いチーズがより一層身近なものになったそうです。
ワインとチーズは切っても切り離せない組み合わせ
・まとめ
いかがでしたでしょうか？様々な国に様々なチーズがあり、それぞれのチーズに各国の歴史や文化との関わりが見られます。ぜひヨーロッパを始めとした海外に行かれたときには、その国のチーズを確かめてみてください。
