チーズ小話〜ヨーロッパの偉人たちとチーズ〜

チーズを知る

紀元前3500年ごろから食べられているというチーズ。特にヨーロッパでは各地で特色あるチーズが作られました。そして、歴史に残る有名人にもチーズと関係のある逸話が残されています。この記事では4人のチーズ小話を紹介します。

  1. ナポレオンとチーズ
  2. ベートーヴェンとチーズ
  3. マリーアントワネットとチーズ
  4. ルイ11世とチーズ
  5. さいごに

ナポレオンとチーズ

ナポレオンにはチーズにまつわる話が2つ残されています。
ある戦場で、疲れ果ててうたた寝をしていたナポレオン。そこへ急使が到着し、側近はナポレオンを起こそうとするも起きない…。そこで大好物のチーズを鼻先に近づけたところ「ジョゼフィーヌ今夜はダメだ!」と寝言を言ったのだとか。ジョゼフィーヌとはナポレオンの愛妻の名前です。チーズの香りと愛妻を勘違いするとはちょっとジョゼフィーヌに失礼な気もしてしまいますが、この話は後世の誰かが作った小話と考えられています。

そしてもう一つのエピソードはこのような話。
ナポレオンがエジプト遠征にでかけたものの、敗戦し帰国したとある日。彼のもとへ綺麗なピラミッド型をしたシェーブルのチーズ、ヴァランセが届けられます。これを見て、エジプトでの敗戦を思い出したナポレオンは激怒し、「そのチーズの上を切れ」と命令したそうです。これ以降、ヴァランセは今の踏み台のような形になったと言われています。

またナポレオンは美食家であったとも言われますが、それはどうやらナポレオン1世ではなくナポレオン3世の方だったようです。フランスではカマンベールの模造品にナポレオン1世のラベルをつけ、権威付けをしようとしたことがあり、混同され美食家と呼ばれるようになったのでしょう。

ベートーヴェンとチーズ

学校の教科書で絶対に目にしたことのあるベートーヴェン。肖像画を見た時に「なんだか怒って見える」と感じたことはありませんか?睨むような表情になってしまったのは、実は朝食が原因だと言われています。
ベートーヴェンはマカロニチーズが大好物で、肖像画を描く日も家政婦にマカロニチーズを作ってもらいました。しかし、そのマカロニチーズが焦げていて、不機嫌になっている時の顔がこの肖像画だと言われています。
焦げたチーズも美味しいと思うのですが、怒鳴り散らすほどの焦げ具合だったのでしょうか。ちなみにベートーヴェンはとても気難しい性格で、普段から家政婦に厳しい態度をとっていたそうです。

ちなみにマカロニチーズは簡単に作れる料理です。牛乳で茹でたマカロニにチーズを溶かして絡めるだけ。レシピサイトでも作り方が公開されているので、気になった方はぜひ一度作ってみてはいかがでしょうか。作り方がレシピによって少しずつ異なるので、ベートーヴェンのようにお気に入りの味を追求してみるのも良いでしょう。

マリーアントワネットとチーズ

マリーアントワネットといえば、フランスのブルボン王朝の最後の王妃です。フランスで革命が起こり、国王一家は国外逃亡を計画し、変装をして馬車に乗り込みます。必死の逃避行も虚しく、パリから130km離れたシャロンという街で豪華な馬車に不信感を持った村人に捕らえられてしまいます。しかし、国王であるルイ16世は捕まったのにもかかわらず危機感が薄く、赤ワインとチーズを持ってくるように命令します。この時、ルイ16世とマリーアントワネットが口にしたのが、この地方で一番大きなブリーチーズだったのだそうです。その後のルイ16世とマリーアントワネットはパリに護送され、どちらも処刑されてしまいます。

ちなみに二人が食べたブリーチーズとは、フランスのブリー地方で生まれたチーズです。見た目はカマンベールと似ていて、深いコクがありながらもクセや臭いは少なく食べやすいのが特徴です。しかし、カマンベールよりは日本では一般出来ではないので、近所のスーパーで手に入れるのは難しいかもしれません。食べてみたい方は専門店やネット通販で探してみると良いでしょう。

ルイ11世とチーズ

マリーアントワネットの時代から時代を遡って、ヴァロワ王朝のルイ11世もチーズと深い関係があります。ある時、ルイ11世は森の中でクマに襲われたことがあり、怪我を負ってしまいました。その時、「サン・マルスラン」というチーズを食べて怪我を回復させたという話が残されています。

サン・マルスランは15世紀まではヤギのミルクで作られたチーズでした。しかし、生産量が増えたことで今では牛乳で作られるのが一般的です。原料は変わりましたが、作り方は変わっておらず、美味しさも変わりありません。熟成具合で味が大きく変化するのが特徴で、若いサン・マルスランを購入して、冷蔵庫で自分好みに熟成させると良いです。

さいごに

ヨーロッパには本当にたくさんのチーズが存在します。その分、歴史も深くさまざまな有名人たちもチーズを愛してきました。この記事では4人の小話をご紹介しましたが、ご興味のある方は他の偉人とチーズの歴史を調べてみてはいかがでしょう。

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