道産チーズの魅力を多くのお客様に届けたい。-ナチュラルチーズの専門店「チーズの店 コンテ(CONTE)」工藤 典子さん-

チーズを知る

札幌、円山というおしゃれなお店やこだわりの専門店が多いこのエリア。地下鉄円山駅から徒歩5分どの場所にナチュラルチーズ専門店「チーズの店 コンテ(CONTE)」はあります。北海道各地にあるチーズ工房のチーズが取り揃えられており、遠方の工房まで足を運ばなくても手軽に美味しいチーズが手に入ると評判です。
今回はこのお店の代表、工藤典子さんに道産チーズの魅力についてお話をお聞きしてきました。

2つのショーケースに100種類もの多彩なチーズが並びます

ーさっそくですが道産チーズの魅力はいったいどういうところでしょうか?

道産チーズの魅力は北海道らしい水の良さ・ミルクの良さを活かした独自の美味しさです。

以前は本場ヨーロッパのチーズと比べると「あんまり…」という声も多くありました。しかし、ここ10年くらいで北海道の地の利を活かしたチーズがたくさん作られるようになっています。

ヨーロッパと北海道ではまず水が硬水・軟水と違います。だから育つ草や土壌となる土の成分も変わります。そんな「北海道らしさ」を活かしたチーズがどんどん誕生しています。

技術の進歩に加えて、作り手の人たちも切磋琢磨していて海外に勉強しに行ったりとか。そうするうちにヨーロッパのコンテストで入賞、優勝する人もいて、チーズの品質が本当に上がりました。

ー「北海道らしさ」とありましたが、北海道らしいチーズの味わいとは具体的にはどのようなものなのでしょうか?

道産チーズはあっさりしていて食べやすいと言われています。また「透明感」があると表現されることも多いです。

先ほどもお話ししたように、ヨーロッパと北海道では水が違います。水の違いは土壌と牛の餌となる草に影響して、ミルクの味は自ずと違ってきます。道産のものはすごく食べやすいもの、親しみやすいものとなっています。

以前はヨーロッパのマネをしてチーズ作りをしていました。その中で、日本人は努力もするし、衛生管理もしっかりするし、きっちりしています。フランス人もイタリア人もけっこうアバウトなところがありますが、日本人は勘やコツをちゃんと数値化して管理して作っていたりします。なので、どんどんレベルの高いものが作られている印象です。

オリーブオイルやはちみつ、ジャムなどチーズを楽しむものをそろえています。

ーたくさん道内のチーズ工房がある中で「このチーズを取り扱いたい」と決める決め手はありますか。

やはり美味しさが第一です。

今、北海道には160くらいのチーズ工房があります。新しい商品は人に紹介してもらったり、人からプレゼントでいただいたりして、実際に食べてみて「美味しい基準」を越えているものは仕入れてみようかなと考えます。

ー輸入チーズも多く取り扱っていらっしゃいますが、道産チーズとどちらが人気ですか?

現在では売り上げベースで考えると、7、8割が道産チーズです。

開店当初は商品数も7割が海外チーズだったのですが、今は海外のものと道産のものが半分ずつです。地元である道産チーズをお求めになる方が多いですね。

チーズに合うワインやビールも扱っています。

ーホームページで拝見したのですが、いろいろイベントやセット商品もあるのですね。個人的には日本酒とのセットがとても気になりました。

実はワインよりも日本酒の方がチーズとの相性がいいんです。

チーズとワインは組み合わせがとても難しいです。チーズもワインも生産者によって、味わいや風味が異なってくるので「一般的にこれがいい」というのは良いにくい。ぴったり合うというのはすごく難しいんです。

それに対して日本酒の方がふんわりあう、優しい印象があります。だいたいどんなチーズでも相性が良いです。チーズに含まれる旨味成分であるアミノ酸は昆布だしにも含まれる成分なので、日本酒と相性が良いようです。

また、コロナ禍になってイベントはオンラインイベントを強化しています。

今まではチーズの試食会をリアルイベントとして定期的に行っていましたが、実施が難しくなってしまったので。しかし、オンラインにしたことで全国の方と繋がることができてとても良かったと思っています。

とはいえ、コロナ禍が落ち着いたらやりたいイベントもあります。こちらも以前からやっていたのですが、生産者を回るバスツアーを開催したいですね。チーズを楽しむことはもちろんですが、行き帰りみんなずっと飲んでます(笑)

ー最後に、札幌でナチュラルチーズを買うとしたら「コンテ」というイメージですが、どのような経緯でお店を始められたのでしょうか?

コンテは2017年にオープンしているのですが、以前は同じ場所に違うナチュラルチーズの専門店がありました。そのお店が札幌から撤退することになったのですが、「この場所を引き継いで北海道から専門店をなくさないで欲しい」と言われたのがきっかけです。

「自分のお店を持ちたい!」みたいな強い思いは持っていなかったのですが、今までお店を続けられたのは応援してくれるお客様のおかげです。

*工藤さんのおすすめでチーズを一つ購入しました。

ニセコチーズ工房「二世古 雪花」

おすすめ通り大変美味しくいただけました!
まわりのドライフルーツが甘く、まるでレアチーズケーキを食べているような気分になります。とはいえ、デザートとしてだけでなく、ワインや日本酒、ウイスキー、ビールなどアルコールとの組み合わせも抜群です。

道産チーズの魅力、そしてワインではなく日本酒との組み合わせをご紹介いただきました。そして専門店の強みは、道内様々な工房のチーズを1カ所で購入できるところだと感じました。美味しいチーズをお探しの方はぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

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