チーズの旬と分類

チーズを知る

一年中、美味しそうに置かれているチーズ。旬なんてあるの?と思いがちですが、美味しい時期、旬がちゃんとあります。
チーズの味を決めるのは原料となる乳の味。ナチュラルチーズの原料は牛・羊、山羊の乳です。この乳は食べる草の種類や風土によって味が変わると言われています。一番、美味しい乳を出すのは初夏の頃の草で、栄養価も高いと考えられています。
この時期に絞った乳から作ったチーズは旬のものとして考えて良いでしょう。各季節ごとに旬のチーズもありますので、そちらを紹介します!

また、生産地も種類も多様なチーズ。たくさんありすぎて、よくわからない!と感じている人も少なくないでしょう。しかし、特徴を掴んでしまえば分類はとてもシンプル。そこで後半ではチーズの分類と特徴について詳しく解説していきます。

 

カマンベール

目次

●チーズの旬●

●チーズの分類●

春が旬のチーズ

*ヴァランセ
原産地:フランス
シェーブルタイプのチーズで表面には木炭粉がまぶしてあります。この木炭が山羊乳の酸味をマイルドにする働きをしています。さっぱりとした酸味があり、舌触りはしっとりです。フルーティな味わいとの相性が良く、軽い辛口の白ワインやフルーツの入ったパン、サラダなどと合わせると美味しいくいただけます。

*サントモール
原産地:フランス
シェーブルタイプのチーズで、プレーンタイプと表面に木炭粉がまぶしてあるタイプがあり、バトンのような筒形をしたチーズです。プレーンタイプはマスカットやイチジクなどの果物と、木炭粉がまぶしてあるタイプは熟成が進んできたらクルミなどのナッツ類との相性が良いです。

夏が旬のチーズ

*リコッタ
原産地:イタリア
チーズ製造の時に出る「ホエイ」が原料のフレッシュタイプです。ほわほわとした食感で、ほのかな甘味が感じられます。ハチミツやジャムをかけてそのまま食べても、お豆腐の代わりに白和えにしたり、料理にも幅広く使えるのが魅力。しかも、脂肪分が少なめでヘルシーです。

*モッツァレラ
原産地:イタリア
モッツァレラといえば、トマトとバジルでカプレーゼにするのが定番。他の食べ方を知らないという人も多いかもしれませんが、ミルキーでジューシーな味わいのモッツァレラは加熱するとグンと伸びるのでピザやパスタに、またはワサビ醤油で冷奴のようにすると冷酒にもぴったりです。

秋が旬のチーズ

*ミモレット
原産地:フランス
熟成期間によって呼び方も味わいも変わるのがミモレットの特徴。
日本では熟成期間の短い、柔らかいタイプを目にすることが多いです。サラダやサンドイッチに入れると、オレンジ色の色合いが鮮やかでとても映えます。お酒との相性もバッチリで、ワインはもちろんビールと合わせても美味しくいただけます。

*ブルー・ドーベルニュ
原産地:フランス
青カビタイプのチーズで、他のチーズと比べ塩分がやや多めです。そのためはちみつやジャムなどの甘いものと一緒に食べると大変美味しくいただけます。
味わいとしては濃厚なコクがあり、ワインと合わせるのがオススメです。

冬が旬のチーズ

*ラクレット
原産地:スイス
「アルプスの少女ハイジ」でおじいさんが山小屋の暖炉でとろ〜り炙っているチーズ、あれがラクレットです。最近は日本でも提供するお店が増えて、人気のチーズです。
じゃがいもやパン、ハムなどを用意して、とろとろに溶かしたチーズをかけるだけで、美味しくいただけます。

*コンテ
原産地:フランス
ハードタイプのチーズ。熟成期間は最低4ヶ月で、18ヶ月〜24ヶ月に風味のピークを迎えます。
コンテの皮は硬いため取り除きます。切り方次第で味わいが変わるのも面白いところ。
厚みのある切り方をすると、旨味を感じやすく濃厚な風味を味わえます。一方薄くスライスすると、くちどけが良くなります。

旬のものは旬の時期に食べるとやはり美味しいもの。今まで気にしていなかった方も、チーズの旬を意識して買ってみるのはどうでしょうか。

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それでは、ここからチーズの分類について解説していきます。チーズのタイプがわかってくると自分の好きなチーズがどのタイプなのか、購入の目安にもなります。

ナチュラルチーズとプロセスチーズ

ナチュラルチーズは原料が生乳です。また出来上がってからも微生物や酵素が「生きている」ため、時間の経過とともに風味が変化します。ナチュラルチーズはその特徴からさらに7つに分類されます。
一方のプロセスチーズは、原料がナチュラルチーズです。ナチュラルチーズを加工し、微生物や酵素は死滅します。そのため品質が一定で保存に優れています。

代表的なプロセスチーズ:スライスチーズ、6Pチーズ、スティックチーズなど

フレッシュタイプ

熟成させないチーズです。ヨーグルトのようなペースト状やお豆腐のような形状が多く、水分が多いのが特徴です。ミルク本来の味わいに、ほのかな酸味が感じられます。

代表的なフレッシュタイプ:クリームチーズ、カッテージチーズ、モッツァレラなど

白カビタイプ

表面が白いカビでおおわれているチーズです。チーズの表面に白カビを繁殖させることで、熟成が進みます。白カビの酵素によってタンパク質が分解され、内側が柔らかくなり風味も濃厚になります。

代表的な白カビタイプ:カマンベール、クロミエ、シャウルスなど

青カビタイプ

チーズ内部に青カビを繁殖させるタイプです。ブルーチーズとも呼ばれます。内部から熟成が進み、切り口は大理石の模様のようになります。かなりクセの強い香りと味わいで好みが分かれるチーズです。

代表的な青カビタイプ:ゴルゴンゾーラ、ロックフォール、ブルースティルトンなど

ウォッシュタイプ

外側を塩水や地元のお酒で洗いながら熟成をさせるチーズのこと。洗うことで表面のリネンス菌が繁殖し、美味しさが増します。表皮は独特の強い香りがするものが多いですが、中の香りはそれほどでもなく、クリーミーな味わいです。

代表的なウォッシュタイプ:モンドール、エポワス、マンステールなど

シェーブルタイプ

ヤギのミルクから作られるチーズのことです。ヤギ独特の強い個性のある味わいですが、それがたまらないという人も多いです。シェーブルは作りたてから完熟するまで、どの状態でもその味を楽しむことができます。

代表的なシェーブルタイプ:ヴァランセ、サントモール、マコネなど

セミハードタイプ

チーズを作る過程で水分を少なくした比較的硬いチーズです。ナチュラルチーズの中でも保存が効くため、日本にも多く輸入されています。熟成期間は短いもので3〜6ヶ月、長いもので1年程度です。クセがなく食べやすいのが特徴です。

代表的なセミハードタイプ:ゴーダ、ラクレット、チェダーなど

ハードタイプ

セミハードタイプのものよりも水分量は少なく、熟成期間が長い硬いチーズです。長いものでは3年もかかります。熟成により旨味成分が作られ、濃厚な風味となります。

代表的なハードタイプ:コンテ、パルミジャーノ・レジャーノ、エメンタールなど

以上がチーズの分類です。
こうしてみると意外とシンプルなことがお分かりいただけるかと思います。
好きなタイプを追求したり、苦手なタイプにチャレンジしてみたりと参考にしてみてください。

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