カットしてそのまま食べるのはもちろん、すりおろしてお料理に使ったりしてもおいしい、セミハードタイプやハードタイプのチーズは、普段の食事に取り入れやすいのがいいところ。ちょっとカットしてパンやフルーツとともにお皿に盛れば、ステキなおつまみが出来上がります。もちろん、お酒を合わせれば、さらに食卓が豊かになります。今回は、セミハード・ハードタイプのチーズとお酒のペアリングをご紹介します。
目次
1.セミハードタイプのチーズとは
2.ハードタイプのチーズとは
3.セミハード・ハードタイプのチーズに合うお酒
4.代表的なチーズとお酒の相性
4-1.セミハードチーズの代表格(1):ゴーダ
4-2.セミハードチーズの代表格(2):カンタル
4-3.ハードチーズの代表格(1):パルミジャーノ・レッジャーノ
4-4.ハードチーズの代表格(2):コンテ
5セミハード・ハードチーズはお料理によく使うチーズ
セミハードタイプのチーズは、チーズを造る工程の中でプレスを行い、水分を少なくした硬めのチーズのことをいいます。
保存性が高く、クセのない味わいのものが多いことから、日本では親しまれるようになってかなり時間が経っています。
匂いやクセが少なく、親しみやすい味わいで、初心者の方にもおすすめのチーズです。
熟成期間は3ヶ月から1年ほどですが、ゆっくりと熟成が進むため、食べごろが長いのも特徴。
購入する時、表示されている熟成期間によって、食べ方を変えてみれば、また違った味わいを見せてくれるのもいいところです。
セミハードチーズで代表的なものには下記のようなものがあります。
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- ゴーダ(オランダ)
- カンタル(フランス)
- マリボー(デンマーク)
- サムソー(デンマーク)
- フォンティーナ(イタリア)
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ハードタイプのチーズとは
ハードタイプのチーズは、セミハードタイプのチーズより、さらに水分を少なくして作ったチーズのことをいいます。
1個が20キロくらいからと、ひとつの大きさがかなり大きく、重たいのも特徴で、熟成期間も半年以上と、じっくりと寝かせるのが特徴です。
そうすることでしっかりと硬くなり、濃厚な旨みがギュッと詰まったような味わいになります。
ハードタイプチーズの食べごろは、出来上がってから半年~1年くらいの期間。
セミハードタイプと同じように、ゆるやかに熟成が進むので、食べごろが長く続きます。
ハードタイプのチーズで代表的なものは下記のようなものが挙げられます。
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- パルミジャーノ・レッジャーノ(イタリア)
- エメンタール(スイス)
- コンテ(フランス)
- チェダー(イギリス)
- ミモレット(フランス)
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セミハード・ハードタイプのチーズに合うお酒
セミハードタイプや、ハードタイプのチーズに合わせるなら、どんなお酒がいいでしょうか。
やはり、ワインが合うのではと思う方も多いでしょう。
セミハード・ハードタイプのチーズには、ワインの中でも、赤ワインなら、少し軽やかなタイプのワインが良く合います。
例えば、イタリアのキャンティ・クラシコや、フランスのボージョレ地区のワインのような、軽い酸味のあるフルーティなものがおすすめです。
また、シャルドネのような少し重たい白ワインはもちろん、日本酒なら大吟醸や純米吟醸といったタイプの華やかなものがよく合います。
代表的なチーズとお酒の相性
ここでは、それぞれのタイプの代表的なチーズとよく合うお酒をご紹介します。
是非参考にしてみてください。
セミハードチーズの代表格(1):ゴーダ
オランダ生まれのゴーダチーズは、日本では古くから親しまれているチーズのひとつ。
穏やかな風味とクセのない味わいで、プロセスチーズの原料にもなっているチーズです。
1ヶ月~48ヶ月と熟成期間の異なるものが売られており、熟成期間の短いものは穏やかな風味を、熟成期間の長いものは濃厚な旨みを楽しめます。
熟成期間中に表面を覆っていたワックスが、表面についていることがあるので、その場合はワックスを取り除いて食べましょう。
スライスしてハムと一緒にサンドウィッチにしたり、カットして生ハムなどのシャルキュトリーとおつまみにしたりして食べるのがおすすめです。
熱を加えればとろりととろける食感も楽しめるので、お料理にも使いやすいのが特徴。
さまざまなお料理に使って楽しみたいですね。
マイルドでミルクの美味しさが楽しめるゴーダは、熟成期間が短いものなら白ワインや、すっきり系の吟醸酒を。
熟成期間の長いものなら、ブルゴーニュのピノ・ノワールを使用した赤ワインがおすすめです。
セミハードチーズの代表格(2):カンタル
カンタルはフランス最古の歴史があるといわれるチーズ。
オーベルニュ地方で作られるチーズで、2000年も前から作られているといわれています。
山で作られるチーズは、一般的にミルクを加熱しながら作るものが多いのですが、カンタルは加熱せずに作ります。
ミルクの桶にレンネットを入れて出来たカードをふきんに包んで、水分を切ること数回。
カードを少し寝かせてから、ボロボロの状態に砕いて、塩を加えてから型に詰めて形を整えて作ります。
濃厚なミルクの香りと、ナッツのような風味のチーズで、熟成するほどに風味は力強くなります。
カットしてライ麦パンや、くるみなどのナッツが入ったパンと合わせて食べたり、薄く削ってサラダにトッピングして食べるのがおすすめですが、フランスではアリゴという伝統的なチーズ料理に使うことでも知られています。
合わせたいのは、同じフランスなら、ムーラン・ナ・ヴァンのような、村名付きのボージョレなどの、フルーティな赤ワイン。
アリゴにして食べるなら、ふっくらした味わいの日本酒にもよく合います。
ハードチーズの代表格(1):パルミジャーノ・レッジャーノ
パルミジャーノ・レッジャーノは、北イタリアで作られる、イタリアを代表するハードタイプのチーズです。
「イタリアチーズの王様」とも呼ばれ、1つの大きさは30~40キロほど。
厳しい検査を行い、2年以上の熟成に適しているもののみがパルミジャーノ・レッジャーノとして認められ、チーズの表面に焼印を入れます。
熟成が進むと、チーズの中でアミノ酸が結晶化して、ジャリジャリとした食感が加わります。
イタリアでも高級なチーズになるので、すりおろして食べるのは、「グラナ・パダーノ」というチーズを使うことが多いそう。
ちなみに、細かな傷や、内部に欠損があって、格下になってしまったものは、「パルミジャーノ・レッジャーノ・メッツァーノ」という等級のチーズとして売られます。
パルミジャーノ・レッジャーノは、濃厚な旨みと豊かな香りで、そのまま食べるのはもちろん、バルサミコ酢をかけておつまみに、はちみつやジャムなどを添えてもおいしくいただけます。
合わせるお酒は、シャルドネを使った少し重たい白ワインや、赤ワインならイタリアのバルベーラ・ダルバなどの、軽い酸味があるタイプがおすすめです。
また、日本酒ならしっかりとした純米吟醸もよく合います。
ハードチーズの代表格(2):コンテ
フランスのジュラ地方が原産のチーズで、いわゆる「山のチーズ」に分類される、保存性の高いチーズです。
とても大きなチーズで、32~45キロあり、フランスでは一番生産量が多く、幅広く親しまれていることで知られているチーズです。
穏やかなミルクの香りと、ギュッと詰まった旨みがおいしいチーズで、熟成期間が長いとほっくりとした甘みが出てきて、ナッツのような香りが楽しめます。
カットしてドライフルーツやパンと一緒に楽しんだり、スライスしてグラタンにのせたりするほか、フランスではクロックムッシュに使われることでも知られています。
合わせるのなら、しっかりした白ワインやオレンジワイン、ブルゴーニュのピノ・ノワールなどがよく合います。
セミハード・ハードチーズはお料理によく使うチーズ
セミハードやハードチーズは、熱を加えることでとろけるものも多く、お料理に使われることが多いといえます。
チーズフォンデュやラクレットはその代表格。
他にもアリゴのような付け合せをはじめ、すりおろして使ったりすることが多いのも特徴です。
もちろん、お酒との相性も抜群です。
いろいろなお料理に使って、お酒とともに楽しんでみてくださいね。