バリエーション豊かなチーズの中でも、毎日の食生活に取り入れやすく、親しみやすいのがモッツァレラなどのフレッシュチーズです。普段から食べているフレッシュチーズを、さらに格上げしてくれるのが、チーズとよく合うお酒。今回はフレッシュチーズによく合うお酒について紐解いていきます。
目次
- フレッシュタイプのチーズとは
- モッツァレラチーズ
- モッツァレラチーズに合うお酒
- ブッラータチーズ
- ブッラータチーズに合うお酒
- リコッタチーズ
- リコッタチーズに合うお酒
- マスカルポーネチーズ
- マスカルポーネチーズに合うお酒
- クリームチーズ
- クリームチーズに合うお酒
- フレッシュチーズには軽やかなお酒がよく合う
フレッシュタイプのチーズとは
フレッシュタイプのチーズは、ミルクを固めて水分を抜き、熟成させずに作る、やわらかいタイプのチーズです。
あまりクセがなく、ミルクの甘みが感じられ、ほんのりとした酸味と、なめらかな口あたりのものが多いといえます。
具体的なチーズの名前を挙げると、モッツァレラやマスカルポーネ、クリームチーズやカッテージチーズがこのタイプに分類されます。
モッツァレラチーズ
フレッシュタイプのチーズの中でも、毎日の生活にかなり溶け込んでいると言えるのが、イタリア生まれのモッツァレラチーズです。
真っ白でコロンとした形のモッツァレラチーズは、牛乳で作られたフレッシュタイプのチーズです。
ミルクの甘みと軽やかな酸味があり、加熱すると繊維状によく伸びます。
イタリアンの前菜として知られるカプレーゼや、ナポリピッツァの定番、マルゲリータなどに使われることでも知られています。
モッツァレラチーズによく合うお酒
ミルクの甘みと軽やかな酸味のあるモッツァレラには、サラダなどで頂くなら、スパークリングワインや白ワイン、ピッツァにしたときには、フレッシュな酸味のあるロゼワインなどが合います。
意外と相性が良いのがスパークリング清酒です。
シュワッと軽やかな炭酸が感じられ、ほんのりと甘みのある味わいの日本酒は、モッツァレラチーズのやさしい甘さを引き立ててくれます。
モッツァレラチーズを使ったサラダや、フルーツと合わせた料理だけでなく、おろしたてのわさびをたっぷりと添えて、オリーブオイルと塩で和風にしても。
フレッシュなミルクの香りや味わいを邪魔しない組み合わせです。
ブッラータチーズ
最近人気が沸騰している、コロンとした巾着型のフレッシュタイプのチーズです。
巾着の中には、帯状になったモッツァレラとともに、生クリームがたっぷりと包んであります。
中にクリームを包んでいて壊れやすく運搬に弱いことから、チーズの産地でしか食べることが出来ない「幻のチーズ」としてかつては知られていましたが、輸送技術や保存技術が発達したことから、現在では比較的入手しやすいチーズになりました。
ブッラータの持つ、フレッシュでクリーミーな味わいは格別で、虜になる人が増えているのもうなずけます。
ミニトマトやフルーツと一緒にサラダにしたり、生ハムなどを添えて、クリームを絡めながらいただくのがおすすめです。
ブッラータチーズによく合うお酒
とろりと出てくるクリーミーなチーズに、フルーツやトマトなどを添えていただくのなら、なんといってもプロセッコがおすすめです。
プロセッコはイタリアのスパークリングワイン。ほんのりと甘みが残る、フレッシュでフルーティな味わいがキュートで、親しみやすいのが特徴です。
ブッラータにいちごや桃、洋梨や金柑など、季節のフルーツを合わせて一緒にいただけば、ブッラータのもつクリームの味わいをより一層引き立てつつ、プロセッコの泡がさっと口の中をリフレッシュしてくれるので、フォークを持つ手が止まらなくなりますよ。
リコッタチーズ
パンケーキなどに使われることでよく知られるリコッタチーズは、チーズを作るときに出てくるホエイを、加熱すると固まって出来るチーズです。
イタリアで生まれたチーズで、その名前の由来は「2度煮る」という意味です。チーズを作った残りのホエイから生まれることもあり、低脂肪なのが特徴でもあります。
さっぱりとした味わいで、ミルクの自然な香りと甘み、やわらかな口あたりのチーズで、イタリアでははちみつを添えて食べたり、ぶどうの粕取りブランデーであるグラッパをかけて食べたりもします。
他には、パンケーキなどのお菓子に焼き込んだり、ラザニアやラビオリの具にするのが一般的です。
リコッタチーズに合うお酒
リコッタチーズそのものに合わせるのなら、アスティ・スプマンテのような、ほんのり甘みの残るスパークリングワインがおすすめですが、はちみつを添えたり、少しお砂糖を加えてクリーム状にしたものを、パンケーキなどとともにデザート的にいただくのなら、意外なところでは日本酒の純米吟醸酒がおすすめです。
デザートに日本酒というと驚くかもしれませんが、お米が持つ深みや独特の旨みが、はちみつなどの甘みをしっかりと受け止めてくれます。
マスカルポーネチーズ
マスカルポーネチーズは、イタリア生まれのフレッシュチーズです。
イタリアのデザートとして有名なティラミスに使われることで知られているチーズで、ケーキやムースなどに使われることの多いチーズです。
クリームチーズと比べると、酸味が軽やかで、脂肪分が高めのため、しっかりとしたコクがあるのが特徴です。
ホイップクリームのようなふわっと軽い食感で、クリーミーなコクのある味わいが、クセになるチーズです。
マスカルポーネチーズに合うお酒
マスカルポーネのしっかりとしたコクと、ホイップクリームのような食感には、赤のスパークリングの代表格でもある、ランブルスコがよく合います。
コーヒーと合わせても負けない風味があるマスカルポーネは、赤のランブルスコのもつ軽い渋みにもぴったりと寄り添ってくれます。
奈良漬けやわさび漬けとマスカルポーネを和えて、和風のおつまみにするのにも向いていて、しっかりした純米酒などを合わせるとしっくり来ます。
クリームチーズ
おそらく私たち日本人が、一番早い時期から身近に親しんでいるチーズのひとつが、クリームチーズではないでしょうか。乳酸菌が持つ酸味と、乳脂肪の風味豊かな味わい、なめらかな口あたりが特徴です。
さまざまなタイプのクリームチーズがあり、ドライフルーツを入れたものや、ハーブ入りのものなども売られています。
パンやクラッカーにそのまま塗って食べるだけでなく、料理やお菓子に使うチーズとしても知られています。
クリームチーズに合うお酒
クリームチーズは乳酸菌由来の酸味があり、いろいろな食材との相性がいいのも特徴のひとつ。
ドライフルーツと合わせれば、軽い赤ワインが進むおつまみになります。
秋田のお漬物・いぶりがっこと合わせるおつまみは、今ではすっかり居酒屋の定番になりました。
和風のおつまみに使えば、純米吟醸などのフルーティな日本酒とよく合います。
他にも酒盗や奈良漬けと合わせたり、ポテトサラダに加えたり、さまざまなおつまみにするのにも使いやすいので、いろいろとトライしてみると良いのではないでしょうか。
フレッシュチーズには軽やかなお酒がよく合う
軽やかな食感とミルクのもつ甘みや酸味が感じられるフレッシュチーズは、そのまま食べるというよりは、料理に使うことのほうが多いチーズだと言えるかもしれません。
さまざまな料理に使いやすい分、さまざまなお酒に合わせやすいのが特徴です。
今回はワインと日本酒を中心にペアリングのバリエーションをご紹介しましたが、バリエーション豊かなおつまみを作って、どんなお酒と合うのか試してみるのも楽しいのではないでしょうか。
きっと自分好みの組み合わせが見つかりますよ。